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赤あざ、茶あざ、青あざ、白斑

生まれたときから、あるいは成長の過程で、お子さんの皮膚に様々な色のあざや色の抜けた部分が見られることがあります。
これらは、血管や色素細胞の異常などによって生じることがあり、中には経過観察が必要なものや、治療の対象となるものもあります。
ここでは、小児によく見られる赤あざ、青あざ、茶あざ、白斑について、それぞれの概要、原因、示唆される疾患、そして治療・フォローについてご説明します。

各々の概要

  • 赤あざ:皮膚の血管が集まってできていることが多く、生まれた直後から見られることがあります。平らなものや盛り上がったもの、濃い赤色から薄いピンク色のものまで様々です。
  • 青あざ:皮膚の深い部分にメラニン色素という色素が集まってできることが多く、青色や灰色に見えます。蒙古斑(もうこはん)が代表的ですが、他にも種類があります。
  • 茶あざ:皮膚の色素細胞(メラノサイト)が増えたり、メラニン色素が多く作られたりすることで生じます。薄い茶色から濃い茶色のものまであります。
  • 白斑:皮膚の色素細胞が減少したり、消失したりすることで、皮膚の色が部分的に白く抜ける状態です。

原因について

赤あざ

  • 単純性血管腫:生まれつきの血管の異常で、毛細血管が拡張して増殖したものです。生まれたときから首の後ろなどに見られるものをウンナ母斑といい、額の中央やまぶた、鼻、上唇などに見られることが多いサーモンのような色の平らな赤いものをサーモンパッチといいます。
  • 乳児血管腫:生後数週間から数ヶ月で現れ、急速に大きくなることが多いですが、数年かけて自然に縮小していくことが多いです。

青あざ

  • 蒙古斑:生まれたときからお尻や背中などに見られる青あざで、成長とともに自然に消えることがほとんどです。
  • 異所性蒙古斑:お尻以外の手足や顔などに見られる蒙古斑で、消えにくいことがあります。
  • 太田母斑:顔の片側(目の周りや頬など)にできる青あざで、自然に消えることはありません。

茶あざ

  • 扁平母斑:生まれたときから、または生後まもなくから見られる平らな茶あざです。大きさや濃さは様々で、自然に消えることは少ないです。
  • カフェオレ斑:コーヒー牛乳のような色のあざで、一つだけの場合は特に心配ありませんが、複数ある場合は神経線維腫症(後述)などの病気の可能性を考慮する必要があります。

白斑

  • 単純性白斑:円形や楕円形の白い斑点が数個できるもので、原因は不明なことが多いです。
  • 尋常性白斑:自己免疫疾患などが関与すると考えられている、後天的な色素脱失症です。

各々が示唆する疾患について

赤あざ

  • 単純性血管腫:特に疾患を示唆することは少ないですが、顔面の一部にできる場合は、他の先天的な病気との関連が報告されていることがあります。
  • 乳児血管腫:通常は良性ですが、目の周りや気道に近い場合、心臓や肝臓に合併症がある場合などには注意が必要です。

青あざ

  • 蒙古斑:通常は健康な赤ちゃんに見られるもので、特に疾患を示唆することはありません。
  • 異所性蒙古斑:まれに、代謝異常などの病気と関連することがあります。
  • 太田母斑:単独で現れることが多いですが、ごくまれに眼や脳の病気を合併することがあります。

茶あざ

  • カフェオレ斑が複数ある場合:神経線維腫症1型という、皮膚や神経などに腫瘍ができやすい病気の可能性があります。他に、わきの下や股のしわにそばかすのような色素斑、神経の腫瘍、骨の変形などを伴うことがあります。

白斑

  • カフェオレ斑との合併:まれに、結節性硬化症という病気で、皮膚の白斑と茶あざが合併することがあります。他に、てんかんや発達の遅れなどを伴うことがあります。
  • 尋常性白斑:甲状腺の病気や自己免疫疾患を合併することがあります。

各々に対する治療・フォローについて

赤あざ

  • 単純性血管腫:自然に消えることは少ないため、整容的な目的でレーザー治療などが行われることがあります。
  • 乳児血管腫:自然に縮小していくことが多いですが、急速に大きくなる場合や、視力や呼吸などに影響を与える可能性がある場合は、薬物療法(内服薬や外用薬)、レーザー治療、手術などが行われることがあります。

青あざ

  • 蒙古斑:自然に消えることが多いため、基本的には経過観察となります。異所性蒙古斑で目立つ場合は、レーザー治療を検討することがあります。
  • 太田母斑:自然に消えることはないため、Qスイッチレーザーなどによる治療が行われます。複数回の治療が必要となることが多いです。

茶あざ

  • 扁平母斑:レーザー治療を行うことがありますが、完全に消えないこともあります。
  • カフェオレ斑:単独の場合は経過観察となります。複数ある場合は、神経線維腫症1型の可能性を考慮し、定期的な診察や必要な検査を行います。

白斑

  • 単純性白斑:自然に消えることもありますが、治療法としては、ステロイド外用薬や紫外線療法などが行われることがあります。
  • 尋常性白斑:ステロイド外用薬、活性型ビタミンD3外用薬、紫外線療法などが行われます。難治性の場合は、皮膚移植などの外科的治療が検討されることもあります。

お子さんの皮膚のあざや色の変化は、様々な原因が考えられます。
気になる場合は、自己判断せずに小児科または皮膚科を受診し、専門医の診察を受けるようにしてください。
適切な診断とフォローアップにより、お子さんの不安を軽減し、必要な治療につなげることができます。

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