貧血
貧血は、血液中の赤血球の数や、赤血球に含まれるヘモグロビン(酸素を運ぶタンパク質)の量が、年齢や性別に応じた正常値よりも少ない状態をいいます。
特に成長期のお子さんによく見られ、様々な症状を引き起こす可能性があります。
早期に発見し、適切な対応をすることが大切です。
貧血の原因について
小児期の貧血の主な原因は、鉄分の不足による鉄欠乏性貧血です。
- 鉄分摂取不足:成長期には、体の成長に伴い多くの鉄分が必要になりますが、食事からの摂取量が不足することがあります。特に、離乳食の進め方や偏食などが影響することがあります。
- 鉄分吸収不良:食事から摂取した鉄分が、うまく体内に吸収されないことがあります。
- 鉄分喪失:まれに、消化管からの出血などが原因で鉄分が失われることがあります。
- その他:急激な成長、慢性的な炎症性疾患、遺伝的な病気などが原因となることもあります。
貧血の症状や初見について
貧血の症状は、進行の速さや程度によって異なりますが、主なものとしては以下のものがあります。
- 顔色が悪い(蒼白):特に、唇の裏や爪の色、まぶたの裏などが白っぽく見えます。
- 疲れやすい、だるい:ちょっとした運動や遊びで、すぐに疲れてしまうことがあります。
- 動悸、息切れ:階段を上る時などに、ドキドキしたり、息苦しくなったりすることがあります。
- 頭痛、めまい:立ちくらみを起こしやすい、頭痛を訴えることがあります。
- 食欲不振:食欲がない、元気がないといった様子が見られることがあります。
- 爪の変形(スプーン状爪):まれに、爪が反り返ってスプーンのような形になることがあります。
- 異食症:土や氷など、通常食べないものを口にしたがるようになることがあります(鉄分不足と関連があると考えられています)。
これらの症状は、貧血以外の病気でも見られることがありますので、気になる場合は自己判断せずに医療機関を受診しましょう。
貧血に対する治療・フォローについて
貧血の治療は、原因に応じて行われます。
- 鉄欠乏性貧血の場合:鉄剤の補充:鉄分の内服薬を服用します。効果が現れるまでには時間がかかるため、医師の指示に従って 定期的に服用することが大切です。
- 食事指導:鉄分を多く含む食品(レバー、赤身の肉、魚介類、緑黄色野菜、海藻類など)を積極的に摂るように指導します。鉄分の吸収を助けるビタミンCを一緒に摂ることも推奨されます。
- 原因疾患の治療::鉄欠乏性貧血以外の原因が特定された場合は、その病気の治療を行います。
- フォローアップ:治療の効果を確認するために、定期的に血液検査を行います。貧血が改善した後も、再発予防のために食事指導などが継続されることがあります。
貧血は、適切な治療と生活習慣の改善によって改善することが可能です。
お子さんの顔色や体調で気になることがあれば、遠慮なく小児科にご相談ください。