夜驚症(やきょうしょう)
お子さんが夜中に突然叫び出したり、恐怖で怯えたような表情を見せたりすることはありませんか?
それは夜驚症(やきょうしょう)かもしれません。
夜驚症は、睡眠中に起こる一種の異常行動で、夢遊病と似たような状態です。
多くは幼児期から小学校低学年頃に見られ、成長とともに自然に治まることが多いですが、ご家族にとっては非常に心配なものです。
夜驚症の原因について
夜驚症の正確な原因はまだ解明されていませんが、以下の要因が関与していると考えられています。
- 睡眠の深さのアンバランス:睡眠には深い眠り(ノンレム睡眠)と浅い眠り(レム睡眠)のサイクルがありますが、夜驚症は深い眠りから浅い眠りへ移行する際に、脳がうまく覚醒できないことで起こると考えられています。
- 脳の発達:脳の発達段階において、睡眠の調整機能が未熟なために起こりやすいと考えられています。
- 遺伝的要因:家族に夜驚症や睡眠時遊行症(夢遊病)の人がいる場合、お子さんも起こりやすい傾向があります。
- 心理的な要因:ストレスや不安、興奮などが誘因となることがあります。
- 体調不良:発熱や睡眠不足などがきっかけになることもあります。
夜驚症が続くことによる心配について
夜驚症そのものは、お子さんの心身の発達に直接的な悪影響を与えるわけではありません。
しかし、以下のような点が心配されます。
- お子さんの恐怖体験:夜中に突然怖い思いをすることで、睡眠に対する不安を抱く可能性があります。
- ご家族の睡眠不足と不安:突然の出来事に驚き、睡眠不足や精神的な負担を感じることがあります。
夜驚症に対する治療・フォローについて
夜驚症に対する特別な治療法はありませんが、適切な対応とフォローによって、症状の軽減やご家族の不安解消を目指すことができます。
- 安全な環境の整備:夜中に動き回ることがあるため、寝室の安全を確保し、危険なものを置かないようにしましょう。
- 睡眠リズムの安定:規則正しい睡眠時間を確保し、寝る前の興奮を避けるようにしましょう。
- ストレスの軽減:日中のストレス要因をできる限り取り除き、リラックスできる時間を作りましょう。
- 無理に起こさない:夜驚症が起こっている最中は、無理に起こそうとすると混乱を招くことがあります。落ち着いて見守り、安全を確保してください。
夜驚症は、多くの場合成長とともに自然に治まります。
ご家族だけで悩まず、小児科医のサポートも活用しながら、お子さんが安心して眠れるように見守ってあげてください。