赤ちゃんが夜中に突然泣き出し、なかなか泣き止まない。
多くのご家族が経験する「夜泣き」は、育児における大きな悩みのひとつです。原因はまだはっきりとわかっていませんが、成長の過程で見られる一時的な現象であることがほとんどです。

夜泣きの原因について

夜泣きの原因は一つではなく、様々な要因が複雑に絡み合っていると考えられています。

• 睡眠サイクルの未熟さ:赤ちゃんの睡眠は、大人のように深い眠りと浅い眠りのサイクルが安定していません。浅い眠りの時に覚醒しやすく、その際にうまく再び眠りにつけないことがあります。
• 生理的な要因:昼間の刺激に対する過敏さや、お腹が空いた、暑い、寒い、おむつが濡れているなどの不快感が原因となることがあります。
• 発達段階:脳や神経系の発達過程で、一時的に不安定になる時期があると考えられています。
• 心理的な要因:環境の変化（引っ越し、保育園入園など）、分離不安、情緒的な不安定さなどが影響することもあります。
• 特定の病気::まれに、中耳炎などの病気が原因で夜泣きのような症状が出ることがあります。

夜泣きが続くことによる心配について

夜泣きそのものが、お子さんの成長に悪影響を与えるわけではありません。
しかし、長期に渡ったり激しい夜泣きが続く場合は、ご家族の睡眠不足や精神的な負担が大きくなることが心配されます。
また、まれに病気が隠れている可能性も考慮する必要があります。
以下のような場合は、医療機関への相談をご検討ください。

• 生後6ヶ月以降も、頻繁で激しい夜泣きが続く場合
• 発熱や哺乳不良など、他の症状を伴う場合
• 日中の機嫌が極端に悪い、発達の遅れが見られるなど、気になる様子がある場合

夜泣きに対する治療・フォローについて

夜泣きに対する特効薬はありませんが、様々な工夫や対応によって、症状の緩和やご家族の負担軽減を目指すことができます。

• 生活リズムの安定:規則正しい授乳、睡眠、遊びの時間を設け、生活リズムを整えることが大切です。
• 寝る前の環境整備:寝室を暗く静かに保ち、リラックスできるような環境を整えます。
• 薬物療法:なかなか改善しない場合は、必要に応じて抑肝散などの漢方薬を使用することもあります。
• 入眠儀式:絵本を読む、子守唄を歌うなど、毎日同じルーティンで寝かしつけを行うことで、赤ちゃんが安心して眠りにつきやすくなります。
• スキンシップ:寝る前に優しく抱っこしたり、マッサージをしたりすることで、赤ちゃんが安心し、リラックスできます。
• 夜間の対応:泣いたらすぐに抱き上げず、少し様子を見てから、優しく声をかけたり、背中をトントンしたりする程度にとどめることも有効な場合があります。

夜泣きは、多くのご家族が経験する一時的なものです。
一人で悩まず、周りの人に相談したり、医療機関を頼ったりしながら、無理のない育児を心がけてください。