夜尿症(おねしょ)
夜尿症(やにょうしょう)は、一般的に「おねしょ」と呼ばれるもので、5歳を過ぎても月に1回以上、寝ている間におしっこをしてしまう状態をいいます。
決して珍しいことではなく、成長とともに自然に治ることも多いですが、お子さんにとっては大きな悩みとなることもあります。
ご家族だけで悩まずに、私たち医療機関にご相談ください。
適切な理解と対応で、お子さんの不安を和らげ、改善をサポートしていきます。
夜尿症の症状について
夜尿症の主な症状は、夜間の睡眠中に無意識に排尿してしまうことです。
- 回数:月に1回以上、または週に数回など、頻度は様々です。
- 時間帯:深い眠りについている時間帯に起こることが多いです。
- 量:少量の場合もあれば、普段の排尿時と変わらない量の場合もあります。
夜尿症は、成長とともに自然に改善していくことが多いですが、小学校に入学しても続く場合は、お子さんの心理的な負担になることもあります。
夜尿症の原因について
夜尿症の原因は一つではなく、様々な要因が複雑に関わっていると考えられています。
- 膀胱の容量が小さい:まだ成長段階で、夜間に溜められるおしっこの量が少ないことがあります。
- 夜間の尿量が多い:寝ている間に作られる尿の量が、膀胱の容量を超えてしまうことがあります。これは、睡眠中に尿の量を調節するホルモン(抗利尿ホルモン:こうりにょうホルモン)の分泌が少ないことが原因の一つと考えられています。
- 睡眠が深い:眠りが深く、膀胱がいっぱいになったサインで目が覚めにくいことがあります。
- 遺伝的な要因:ご家族に夜尿症だった方がいる場合、お子さんも夜尿症になりやすい傾向があります。
- 発達の遅れ:排尿をコントロールする神経系の発達がゆっくりな場合があります。
- 心理的な要因:ストレスや不安などが、夜尿症を引き起こしたり、悪化させたりすることがあります。
これらの原因が単独で、あるいはいくつか重なって夜尿症は起こります。
医療機関で行う夜尿症の問診について
医療機関を受診された際には、お子さんの状況を詳しくお伺いするために、以下のような問診を行います。
- 夜尿の頻度と量:いつ頃から、どのくらいの頻度で、どのくらいの量のおねしょがあるか。
- 昼間の排尿状況:昼間のおしっこの回数や量、排尿時の痛みや我慢できないなどの症状はないか。
- 飲水状況:寝る前の水分摂取量や時間帯、一日の水分摂取量。
- 排便状況:便秘の有無。便秘が膀胱を圧迫することがあります。
- 睡眠状況:寝つきや睡眠時間、いびきの有無など。
- 既往歴・家族歴:これまでの尿路感染症などの病気や、ご家族に夜尿症だった方がいるか。
- 心理的な状況:ストレスを感じていることや、心配事がないか。
- 生活習慣:寝る時間や起きる時間、食事の時間など。
これらの情報を詳しくお伺いすることで、夜尿症の原因を探り、適切な治療方針を立てるための参考にします。
夜尿症の治療(心がけ、生活習慣、服薬)について
夜尿症の治療は、お子さんの年齢や状態に合わせて、段階的に行われます。
焦らず、お子さんと一緒に取り組むことが大切です。
心がけ
- 叱らない、責めない:おねしょは、お子さんがわざとしているわけではありません。叱ったり、責めたりすることは、お子さんの不安を増大させ、逆効果になることがあります。
- 励ます、認める:おねしょがなかった日には褒めてあげたり、頑張りを認めたりすることが大切です。
- 焦らない:治療には時間がかかることもあります。焦らず、ゆっくりと見守りましょう。
- 周りの理解を得る:幼稚園や学校の先生など、周りの大人にも夜尿症について理解してもらい、協力してもらうことも大切です。
生活習慣の改善
- 寝る前の水分制限:寝る1~2時間前から水分摂取を控えめにしましょう。ただし、極端な制限は避けましょう。
- 夕食の塩分を控える:塩分を摂りすぎると、夜間の尿量が増えることがあります。
- 規則正しい排尿習慣:寝る前には必ずトイレに行くように習慣づけましょう。
- 膀胱訓練:昼間に意識して少しずつ排尿の間隔を延ばす練習をすることがあります(医師の指示に従って行います)。
- 便秘の改善::便秘がある場合は、まず便秘の治療を行います。
服薬
生活習慣の改善だけでは効果が見られない場合や、お子さんの精神的な負担が大きい場合には、薬物療法を行うことがあります。
- 抗利尿ホルモン製剤(内服薬・点鼻薬):夜間の尿量を減らす効果があります。
- 三環系抗うつ薬(内服薬):膀胱の収縮を抑えたり、睡眠を浅くする効果があると考えられています。
薬物療法は、医師の診断に基づいて、年齢や症状に合わせて慎重に行われます。
夜尿症は、適切な対応によって改善が期待できる病気です。
一人で悩まずに、まずは当院の小児科にご相談ください。お子さんの気持ちに寄り添いながら、一緒に解決に向けて取り組んでいきましょう。
